三普旅遊も登壇、台湾のAI金融フォーラムが描く資産管理の未来
- 宣子 中島
- 6月27日
- 読了時間: 3分
三普旅遊集団
inFlux 普匯金融科技
グローバルな金融と技術の枠組みが再編されつつある中、フィンテック分野における政策と実務の統合を議論する国際フォーラム「2025年 AI金融科技発展論壇」が開催され、同フォーラムでは、AI金融が単なる技術革新にとどまらず、制度改革を後押しする戦略的な手段であることが強調されました。
本フォーラムは「AI金融科技協会」が主催し、政府、学術界、産業界の主要リーダーが集結しました。台湾のデジタル政策を所管する「数位発展部」、金融行政を監督する「金融監督管理委員会」、国家経済戦略を担う「国家発展委員会」、中小企業の資金調達を支援する「財団法人 中小企業信用保証基金」などの各機関の代表者が出席し、支援を表明しました。
AI金融科技協会の理事長である姚木川氏は、「AIフィンテックは台湾の次なる国家競争力の柱になる」と述べ、フィンテック分野のスタートアップを支援するために、国が主導する投資基金の設立を提案しました。これはAIがもたらすグローバルな資金と制度の再編に積極的に対応するためです。姚氏は「従来の対応策を『革新的投資』に置き換えることで、台湾はリスクや詐欺が拡大する懸念のある現状に対して、堅固な守りの仕組みを整え、アジアにおけるフィンテック資産管理の主要な拠点となることができる」と述べました。
フォーラムの4つの主要テーマは、政策、技術、実務の融合に重点を置いています。
AIによる国際的な金融サービスの進化と、銀行サービスの連携強化
AIを活用した詐欺防止技術の強化
誰もが利用できる金融サービスの推進と環境負荷削減への取り組み
AIを活用した金融分野の革新的な投資戦略
これらのテーマにおいては、AIフィンテックに関連する業界を代表する企業として、「三普旅遊グループ(以下、三普旅遊)」や「普匯金融科技股份有限公司(以下、普匯金融科技)」などがパネリストとして参加し、異業種連携や実際の応用戦略について議論しました。三普旅遊は観光業界に属しながらもフィンテックの革新に取り組み、AIと旅行関連の消費金融を融合させることで、スマート決済や個別最適化された金融サービスの提供方法を模索しています。一方、普匯金融科技は金融技術分野の企業として基盤技術を活用し、多様な資本や政策資源と連携しつつ、幅広い人々が利用できる金融サービスと資産管理のモデルケースの構築を目指しています。
フォーラムでは、「フィンテックの究極の目的は、金融機関がより多く利益を上げることではなく、すべての人が公平で安全な金融サービスを利用できる社会を実現することにある」と強調されました。
台湾では、金融業界を監督・管理するための技術、データの安全な取り扱い、法律への対応など、多くの課題に取り組んでいます。さらに、環境や社会に配慮した企業経営にも注力しています。行政機関・企業・大学・研究機関が連携し、将来のビジョンを描いています。これらの取り組みは、金融テクノロジーと資産管理の拠点づくりを目指す台湾政府の機関「亜洲金融科技資產管理中心」の長期的な発展につながっています。

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