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女媧機器人に出資 祥鑫科技が描く人型ロボットの未来

  • 執筆者の写真: 宣子 中島
    宣子 中島
  • 6月27日
  • 読了時間: 3分

女媧機器人股份有限公司

#NUWA ROBOTICS #ロボットテクノロジー #スタートアップ企業投資


2025年6月10日、中国の製造業の会社「祥鑫科技有限公司(以下、祥鑫科技)」は、台湾のロボット開発を手がける新興企業「女媧機器人股份有限公司(以下、女媧機器人)」に投資すると発表しました。出資割合は1.25%で、祥鑫科技は新しい株主のひとつになります。


女媧機器人にはすでに、iPhoneの製造で有名な台湾の大手企業「鴻海精密工業股份有限公司(以下、鴻海)」と、その子会社の「富士康工業互聯網股份有限公司(以下、工業富聯)」が出資しています。これら2社の持つ株の合計は22.71%にのぼります。この2社は、女媧機器人の部品の供給や技術の連携で重要な役割を果たしています。


女媧機器人のグループ会社である「女媧創造股份有限公司」は2016年に設立されました。主に、人の生活支援を行う寄り添い型ロボット、サービス用ロボット、工業用ロボット、人型ロボットの開発を主軸に据えています。同社は、「高いコストパフォーマンス」と「幅広い対応力」を持つスマートなロボットソリューションの提供を目指しています。技術面の強みは、プログラミングの専門知識がなくても操作できるツールや、自社開発の「SLAM(自己位置認識と地図生成を同時に行う技術)」などのソフトウェア技術、そして鴻海グループとの連携による大量生産に対応できるハードウェア体制にあります。


こうした体制により、導入のハードルやコストが大幅に削減されました。たとえばサービス用ロボットの月額レンタル料は499米ドル、導入にかかる時間も従来比で98%短縮されています。すでに Amazon や ソフトバンク など、世界的企業の支持も獲得しています。2026年までに「AMR」(自律移動型ロボット)を6000台以上生産し、売上高1億米ドル超、営業利益率24%を目指しています。


2025年6月のこの出資は、祥鑫科技が人型ロボット事業を戦略的に拡大するための重要な一歩です。2025年初めには、祥鑫科技は100%出資の子会社「祥鑫(東莞)智能機器人有限公司」を設立し、人型ロボット事業の統括拠点としました。さらに、重要な研究開発や技術連携も進めています。


具体的には、「広東省科学院智能製造研究所」と共同で「聯合技術創新センター」を設立し、巧みな手の動きができるロボットハンドや軽量アーム、ロボットの視覚センサーや健康管理などのコア技術の研究開発を進めています。

また、「三度智能科技股份有限公司」と主要部品に関する戦略的協力協定を締結し、半導体や自動車、太陽光発電・蓄電といった先端分野での技術応用に取り組んでいます。


祥鑫科技は、ロボット産業が「コンセプトの検証」段階から「実際のビジネス展開」へと急速に進んでいると述べています。特に人型ロボットの分野には、兆単位の市場規模が見込まれています。


今回の女媧機器人への出資は、プラットフォーム技術の強化、サプライチェーンの統合、産業のリーダーシップ獲得に向けた強い意志の表れです。今後は両社が技術面での協力を深め、スマート製造やサービス分野で新たな未来を切り拓いていくことを目指しています。

 
 
 

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