女媧機器人股份有限公司
台湾の新興企業「女媧創造」が開発した可愛らしいロボット「Kebbi(凱比)」。近年、病院やレストラン、ショッピングモール、キャンパスなど、さまざまな場所でその姿を見かけるようになりました。ロボット「Kebbi」は、MIT(Made in Taiwan)の製品で、優れた技術を背景に、鴻海(台湾)や小米(中国)といった業界大手が投資を行っています。
女媧創造(Nuwa Robotics)は、設立からわずか10年間で3万台以上のロボットを販売し、50社以上の企業と提携しています。日本、韓国、北米、中国、東南アジアなど、20カ国以上に進出しており、教育市場での成功を基盤に、サービス型ロボットや産業用ロボットの分野にも積極的に展開しています。COOの張智傑氏は、「2024年には損益分岐点を達成し、2025年には大きな成長が期待できる」と述べています。女媧創造がAIロボットのブームで先行できた理由は、自社開発のモーターによってコストを大幅に削減し、さらに「ロボットをサービスとして提供する」仕組みを作ったことにあります。具体的には、ロボットを企業や施設が購入するのではなく、月額料金や利用料でロボットを借りて、その機能を必要な期間だけ使うことができる仕組みです。この方法により、企業は高額な初期費用を抑えて、手軽にロボットを導入でき、運用やメンテナンスの負担も軽減できます。生成AIの進展により、ロボットの多機能性が強化され、今後、小売、スマートケア、観光・飲食業界などでの活躍が期待されています。
女媧創造の成長ストーリー:初期のスマートおもちゃからロボットの先駆的企業へ
鴻海と小米の支援を受けて:10年間で資金調達に成功
・グローバルな展開:女媧創造(Nuwa Robotics)は、設立から10年間でロボットを20カ国以上に販売し、日本、韓国、北米、中国、東南アジアの企業とも提携しています。また、鴻海や小米などの大手企業からも投資を受けており、注目を集めています。
・教育市場への早期参入:初代「凱比(Kebbi)」ロボットは、科学、技術、工学、数学の分野を学ぶ教育の流れを取り入れ、市場価格を大きく下回るハードウェアと独自のソフトウェアプラットフォームを提供することで、台湾の教育市場で大きな影響を持つサービス型ロボットを提供する重要な企業の1つとなりました。
自社開発のモーターでコストを10分の1に削減
・コスト削減:ロボットの最も高価な部品はモーターで、通常は1個200~300米ドルほどです。しかし、女媧は自社でモーターを開発することで、正確な動きを実現するための必要な力を満たしつつ、ハードウェアのコストを市場価格の10~20%に抑えることに成功しました。
・手頃な価格での提供:このコスト削減により、「凱比」ロボットは10,000台湾ドル以下という価格で提供でき、一般向けにも普及しやすくなりました。
RaaSプラットフォームを提供し、カスタマイズを簡素化
・多くの用途に対応できるツール:これまで、ロボットをさまざまな環境に適応させるためには高額なカスタマイズ開発が必要でしたが、女媧創造は「RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)」プラットフォームを開発し、医療、リテール、観光、飲食など、さまざまな分野に対応するロボットの設定を簡単に行えるようにしました。
・生成AIの統合:さらに、OpenAIのモデルを組み込むことで、女媧のロボットは会話能力が大幅に向上しました。ロボットの多様な機能が強化され、さまざまな業界での導入価値が高まっています。
サービス型と産業型ロボットを並行して開発し、台湾製の供給網を活かした製品ラインの拡充
・多様な製品ライン:女媧創造は、サービス型ロボットに加えて、産業用ロボットの開発にも力を入れ、企業向けのアプリケーションを広げています。
・安定した供給チェーン:中国以外の供給元が重視されるグローバルなトレンドの中で、台湾製のブランドは信頼性が高い選択肢となっています。女媧創造は、確かな研究開発と製造実績を持ち、顧客に対して高いセキュリティと供給の安定性を提供しています。
2025年に急成長が期待される:AI時代の到来
・運営の進展:女媧創造は、2024年に損益分岐点を達成し、2025年には急成長を見込んでいます。
・市場でのリーダーシップ:生成AIが普及し、ロボットとの対話能力が進化する中、女媧創造は価格面、ハードウェアの独自開発、RaaSプラットフォームの統合において優位に立っており、グローバル市場で一際目立つ存在となっています。
結論:
10年前、女媧創造のチームはロボットの応用方法に悩んでいました。しかし、今では3万台以上のロボットを販売し、20カ国以上に展開。数社の国際的な投資家から支援を受けており、AI技術の進化とともに、2025年にはさらに成長が期待されます。ハードウェア、ソフトウェア、アプリケーションの統合を強化し、女媧は台湾のロボット産業に新たな基準を打ち立てつつあります。
引用元 遠見雑誌
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