台湾企業、マレーシアで存在感 イメージ展で総額8,800万米ドルの商談成果
- 宣子 中島
- 7月15日
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女媧機器人股份有限公司
台湾の政府機関である経済部が主催し、台湾の貿易振興機関である中華民国対外貿易発展協会(以下、外貿協会)が運営する「2025年マレーシア台湾イメージ展」が6月25日、クアラルンプール国際展示センターで無事閉幕しました。展覧会は1万4,000人超の来場者を迎え、総額8,800万米ドルを超える商談が活発に行われました。これは台湾とマレーシア間の産業協力が一層深まっていることを示し、台湾企業が東南アジア市場を開拓する重要な協力プラットフォームとなりました。
AIとスマート製造に注力、多分野にわたる台湾の革新成果を展示
今回の展覧会は「次の時代を駆動する」をテーマに、AIやスマート製造、持続可能な環境保全、健康づくり、快適な生活、さらには文化や観光など、幅広い革新的分野をカバーしました。なかでも注目を集めたのはAIイノベーション応用エリアで、台湾企業によるAI産業チェーンにおける先進技術とその応用成果が集中的に展示されました。
女媧創造股份有限公司が開発した二画面広告型サービスロボット『Collibot』や、ショッピングモール、教育、医療、サービス分野での応用が期待される『凱比ロボット』は、マレーシアの複数のショッピングセンターや医療機関から商談の関心を集めています。
また、原見精機股份有限公司による「安全皮膚」技術は、人と機械の協働作業における安全性を高めるもので、マレーシア政府からも注目を集めています。今後、政策支援を受けて現地の製造業への普及が期待されています。
グリーン&ヘルスケア分野で広がる台湾とマレーシアの協力
環境・持続可能性分野では、台湾の環境技術企業である興中環保科技股份有限公司が開発した、紙とプラスチックを組み合わせた環境に配慮した包装資材が、フランスの有名ベーカリーブランドや複数のマレーシアの食品流通業者から注目を集め、商談が順調に進んでいます。
また、パイナップル繊維を用いたレザー製品や自動車のフロントガラス保護用フィルムレザーなどを提供する台湾企業が、マレーシアの農業関連企業や資源リサイクル業者の関心を集めており、協業の可能性を模索しています。
ヘルスケア分野では、台湾のバイオ医療企業である全新生醫股份有限公司の人工皮膚および創傷被覆材が、台湾の老舗製薬会社である永信藥品工業股份有限公司およびマレーシアの大手薬局チェーンから高く評価され、連携に向けた協議が進められています。
さらに、台湾の大手IT企業である宏碁股份有限公司(Acer Inc.)のAI支援による糖尿病網膜症診断ソフトは、マレーシアの救急医療機関で高く評価され、迅速な検査結果の判読に貢献するとして、導入検討が進められています。
展覧会を通じて台湾とマレーシアの連携を深化、東南アジア市場での存在感を強化
外貿協会は、本展覧会が台湾とマレーシアのテクノロジー応用、産業革新、文化交流の各分野における緊密な連携を促進し、台湾が東南アジア市場において重要な役割を担っていることを改めて示すものとなったと述べました。今回の展覧会は、台湾企業に国際協力の機会を提供すると同時に、地域間の連携と持続可能な発展の推進にも大きく貢献しました。



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